今回から、『FreeHILSプロジェクト』の内容を記事にしていきます。今回から始まる一連の記事では、1からHILSシステムを構築します。1からとは、HILSそのものから作るという意味です。HILS作成のための、極めて具体的なノウハウを色々とご提供できるかと思います。
『FreeHILSプロジェクト』とは、HILSを極力フリーのツールで構築して、そのHILSで何か検査装置を作ってみよう!というものです。
まず、なぜこんなプロジェクトを始めるのか、簡単にご説明します。これまで書いてきた記事によって、私がHILSについて知っている一般論はだいたい書いてしまいました。残るは、個々の分野への適用事例か、具体的なHILSの機能の話だけです。
具体的な話をする時には、読んでいただいている方と同じHILSを使うのが望ましい形です。しかし、HILSは安いものではないので、ひょいと買いそろえる訳にもいきません。そうであれば、フリーのツールを寄せ集めて動くものを作り、この記事を読んでくださっている方にも、すぐに試せるような環境を提供したい!とそう考えました。
もう1点、HILSに関する情報をWebでいろいろ探しまわったのですが、『こうすればうまくいく』だの『HILSってこんなものですよ』という話は多少は転がっています。しかし、『こんな感じで失敗した!痛い目を見た!』という話は見受けられませんでした。何かを学ぶには、成功例と失敗例の両方が必要だ、というのが個人的な信念です。ですから、私が人柱となって失敗例も色々と提供できたらいいかな?という思いもあります。
これから作るのは、全てオープンソースで賄う無償のHILSです。これをFreeHILSと呼ぶ事にします。もともとのツールを組み合わせただけでは多分満足いくHILSにはなりません。そこで、いろいろと機能追加をしていく事になると思います。その成果もすべてオープンソースかつ無償でご提供します。
こんな感じで、FreeHILSプロジェクトの開始から完了までのプロセスを、記事にしていく事にします。ただし、このプロジェクトとは別に、Simulink関連のノウハウで書いておきたいものも沢山あります。気が向いたら、Simulink関連ノウハウの方に浮気する事もあるかと思います。