ISO26262正式発行
もう1ヶ月近く前の話ですが、ISO26262が発行されたようですね。夏ごろ出る予定と言われていたものが、ようやく出た感じです。
ISO26262の規格書(?)はPart1~10の10パートに分かれていて、それぞれ1万円くらいします。このうちPart1~9までが発行済み。Part 10だけはもうちょっと時間がかかるようです。
とりあえずPart1~9をISOのショップから購入しました。1,092スイスフラン ≒ 92,000円と、お高い!のですが仕方がありません。昔、ドラフト版26262にも同じくらい払ったので、結構な出費です。
ISO/DIS26262(ドラフト)と、ISO/26262(正式)、それぞれのPDFファイルをざっとDIFFツールにかけて見ましたが、劇的に何かが変わっているといった様子はありません。ただし、ツール認定のための要求がちょっとだけキツ目(ASIL Cあたり)になっていますし、そのほかにも気になる変更がチラホラ見受けられます。
ちょっとの違いが大違いっていう話もありそうなので、これからじっくり見ていく予定です。
以下、余談です。
ISO制定手順
ちなみに、ISO/DIS 26262と、ISO26262が、どういう関係なのか調べてみました。ISO規格の制定手順によりますと、
DIS(国際規格原案)→FDIS(最終国際規格案)→国際規格の発行
の順番に進んでいくようで、それぞれ次のステップに進むためには、検討メンバーによる投票で2/3以上の賛成が必要なようです。
「Part10だけは時間がかかる」と書きましたが、このPart10だけはまだ FDIS 状態にあります。(2011/12/12現在)
そもそもISOって?
さらに余談ですが、ISOにおける技術文書によりますと、ISOって
・強制力:なし(WTOとの関連あり)
・規格の表現: 具体的な表現は少ない
・採用方法:国際規格に準じた国内規格を作成
という特徴があるようです。どーりで曖昧なわけです。ポイントは、ISOがそのまんま法的規制になるわけではなさそうという点。
これがたとえばヨーロッパで法規制されるには、EN(European Norm)という規約に翻訳(?)してからだそうな。このENというのは、
・強制力:国内規格として強制
・規格の表現:国内規格として採用するため具体的
・採用方法: ENがそのまま国内規格となる
という特徴があるようです。
「ISO26262みたいな曖昧な規格で、法規制なんか出来るんかいな?」という疑問はとりあえず解消です。
※ご注意:私は規制についてはド素人です。ネットで集めた情報から勝手に判断しているだけなので、決して真に受けないでください。