RTAI-LabのQt版
せっかくRTAI-Labの解析が終わったのですが、ふとした拍子にもっと良い物を見つけてしまいました。
それは、RTAI-LabのQt版で、QRtaiLabと呼ばれています。こちらで公開されています。
ちょっとさわっただけでも不具合をいくつか見つけてしまいましたので、正直まだまだ発展途上なのだと思います。しかし、とにもかくにもRTAI-LabをQtに移植してくれたのは喜ばしい限りです。こちらをベースに作業を行う事で、5~8作業日(=1~2カ月)は短縮できる事でしょう。
ただし移植されているのはGUI部分だけで、RTAIのAPIにはべったり依存しています。ですから、RTAIのNetRPCをWindowsに移植する作業はどの道行わないといけないようです。
さて、QRtaiLabを使ってみようという方のために、構築手順を書いておきます。
<2009.10.25追記>FedoraへのRTAIインストール法をお探しの方はこちらの記事の、「Linuxカーネルへのパッチあて」の項目をご覧下さい。</2009.10.25追記>
QRtaiLab構築手順
環境としては、
・Linux : Fedora 11
・RTAI-Lab : 3.7.1
です。この環境におけるRTAIの構築手順は、こちらで紹介しています。
ターゲットにログインし、rootユーザーになります。そして、関連しているモジュールをインストールします。
yum install 'qwt*'
次に、以下のコマンドを実行します。
cd /usr/src wget -P /tmp http://downloads.sourceforge.net/qrtailab/QRtaiLab-0.1.7.tar.gz tar xzf /tmp/QRtaiLab-0.1.7.tar.gz cd qrtailab-0.1.7
そして、そこにある qrtailab.config を次のように修正します。(INCLUDEPATHの部分を変更しています。)
###################################################################### # library path ###################################################################### DEPENDPATH += . /usr/local/qwt-5.2.0-svn/lib INCLUDEPATH += . /usr/realtime/include /usr/include/qwt LIBS += -lqwt #CONFIG += debug ############# # do same tests ############ #CONFIG += QRLtests
そして、次のようにすれば完了です。
qmake make
できあがった qrtailab を実行すれば、Qt版のRTAI-Labが起動します。
メモ:わたしはうっかり、RTAI関連のモジュールを insmod する前に、qrtailab を実行してしまいました。すると、セグメンテーションフォールトが発生しました。qrtailabを実行してみてセグメンテーションフォールトが起きる場合は、insmod で /usr/realtime/modules 以下の ko ファイルをロードしているかどうか、確認してみると良いでしょう。